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アマモ(学名:Zostera marina)は、北半球の温帯~亜寒帯にかけて

分布する海草の一種です。

海草は海藻とよく混同されますが、前者が維管束を持つ高等植物の種子植物

なのに対し、後者は維管束を持たない原子的な植物です。

アマモは、水深およそ1~3mの沿岸の砂泥地に自生しており、日本でも

全国各地で見られますが、近年は海洋汚染などの影響によって徐々にその数

を減らしつつあります。

冒頭でも解説しましたが、アマモは「海草」です。つまり、根があり、茎が

あり、葉があり、それぞれに維管束(水分や養分を運ぶ管)を持つ高等植物

(種子植物)です。

 

ですので、上の写真のようにしっかりと葉脈も持ち合わせています。

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アマモについて

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また、アマモは種子植物のなかでも単子葉植物(大きく分けるとイネなどと

同じ仲間)で、花を咲かせ、種をつけて増えていきます。

なお、アマモは小さくて白い水中花を咲かせます。

アマモは、海の牧草とも言われるように、沿岸砂泥域において、貴重な一次

生産者です。

アマモの枯れ落ちた葉は、二次生産者であるベントス(底生微生物)の貴重な

餌となり、

海の食物連鎖ピラミッドの底辺を支えています。

また、多くの魚類・甲殻類の棲家・隠れ場所になるだけでなく、産卵床にも

なっています。

これら、アマモの持つバイオマスは、藻類とは比較にならないくらい大きい

と言えます。

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アマモは海草、海の草です。岩場のコンブやワカメ(海藻)と違って、

砂地の海底に生えています。アマモがたくさん生えている場所をアマモ場といいます。

アマモ場には、たくさんの魚や貝の子どもが大きな魚に食べられないよう、

隠れ家にして住みついています。

また、大きな魚はアマモ場を定期的に訪れ、餌を探します。

こうして、アマモ場にはたくさんの生き物が集まるようになります。

ところがそのアマモ場が減少しています。

かつてアマモは瀬戸内海の至る所に生えていましたが、

アマモ場は兵庫県下では赤穂や姫路市白浜海岸、明石市江井ヶ浜、

大阪府下では二色の浜、阪南市の海岸など、数えるほどしか残っていません。

私たち「大阪海さくら」は、このアマモを少しでも増やしたいと考えています。

アマモは、一度海から陸に上がって、再び海に戻った海草ですから、

陸上の植物とほとんど同じ方法で増えていきます。

竹やシャクヤクと同じように、土中に地下茎をのばし、

その先端部の節目から新しい芽を出します。

また、春先に花が咲き、できた種が海底に落ち、冬に発芽します。

このため、自然に生えているアマモから種を取り、苗まで育て、

その苗を新しくアマモ場にしたい場所へ植えていきます。

また、取った種を冷たい所で保管しておき、

秋から冬にかけてアマモ場を作りたい場所に播くこともあります。

海の春は陸よりも早く訪れます。5月ごろ細長い(葉っぱ)枝の花枝にアマモの花は開花します。

アマモの種は2ミリほどで楕円形です。6月になると種が付いたその花枝を摘み取ります。だいたい8㎝くらいの(花枝)穂。

潮の引いている日に胴長をはいて、玉ねぎのネットをぶら下げてアマモの花枝(かし)を摘んで網ネットに入れてゆきます。

水中を目を凝らして見ると、可愛い種がならんだ花枝が揺れています。

摘んだ種は、網ネットに入れたまま海水が流れているプールに浸け養生します。

本来は海の中で浸かっているものです。

流水の状態で養生すること4か月。

9月には茎や葉、花枝はどろどろ腐り、種はしっかりと熟してきます。

それらを網ネットから出して、何度も水流ですすぎ、種と泥になった葉を洗い分けます。この選別作業ができるときれいな種が現れます。

黒色は成熟した種、緑色はこれから成熟する種です。この種たちは11月まで冷蔵庫で保管します。

11月~12月は大切に選別したアマモの種を『アマモ育苗ポット』に蒔きます。

海底で育つものを、家庭で育ててみようと思います。

小さな自分の海だと思ってみてください。ポットに人工海水と入れ砂を入れて、

そこに種を蒔きます。(詳しいやり方があります)

12月~1月海の季節が春になるころ、種から最初に白いひげのようなセンサーが生えます。センサーがポットの中の状態を感知します。水温・塩分濃度・光量のうち

水温は大切で10℃くらいに下がる必要があります。条件がそろったらセンサーから緑の芽が出ます。とても可愛いです。

ポットの容器が緑の葉っぱでいっぱいに育つのは3か月ほどかかります。(昆虫ケースを水槽にして育苗することもあります)

2月~3月になればポットで育ったアマモの苗を移植します。

引き潮の日、大阪湾の海に苗を植えに行きます。

膝まで海に入りスコップで穴を掘りそっと苗を入れてあげます。

大波にさらわれないように、アオサの陰にならないように、魚に食べられないように、育ってほしいと願います。

アマモがたくさん生えて育った場所(藻場)とアマモの生えていない海底の2か所の浜で、地曳網を引き調査をします。

海の沖50メートルに仕掛けた地曳網を左右に20人ずつに分かれてロープを引き上げます。

アマモのある地曳網にはたくさんの生き物や稚魚、産卵にきたイカや魚がいます。

しかしアマモのない海底の地曳網にはあまり生き物や魚はいません。

生き物の調査は水族館の学芸員さんより解説をしてもらうのでとても楽しく学べます。

季節を通して開催しています。

アマモには生き物を守り育てる環境があります。

『海のゆりかご』と呼ばれているのです。

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